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モスラ (昭和36年・1961)

モスラモスラ
フランキー堺 本多猪四郎 小泉博 ザ・ピーナッツ


凄絶!幽幻!驚異!巨卵から大蛾へ!小美人の危機に全世界を襲う3段変化の大怪獣!!国産怪獣映画初の全世界同時公開。本邦初の怪獣ファンタジー!

モスラ 怪獣映画初のカラー・ワイド映画。当時の東宝特撮史上最大のミニチュアセットが使用されています。モスラの造型、ワイヤーでのモスラの操演テクニックとミニチュアセットによる成虫モスラの巨大感、迫力、浮遊感の表現は(CGの無い時代にもかかわらず)素晴らしいの一言です。東京タワーでモスラが繭を張るシーンも見事です。
 善悪の判断無く、ただひたすら本能のままに"ザ・ピーナッツ"演じる小美人を求めて町を破壊しながら彷徨うモスラという設定は、これまでの怪獣映画とは一線を画する内容。『ゴジラ』『ラドン』などで怪獣による破壊と恐怖を描いてきた東宝特撮怪獣映画が、怪獣スペクタクル&娯楽作品路線へと転換するきっかけになった作品でもあります。また、主演のフランキー堺によるユーモアとノリの良い勢いのある演技も絶品。

*世界同時公開が決まり、ニューヨークをモデルにしたと思われるロリシカ国ニュー・カーク市のシーンが急遽撮り足されていますが、こちらも付けたしとは思えない素晴らしい映像です。


モスラ_小美人[モスラ - ストーリー]
 かつてロリシカ国が近海で核実験を行ったインファント島。既に無人の島になったと思われていたが、遭難事件の生存者の証言により原住民がいることが判明。急遽日本とロリシカ国合同によるネルソン(ジェリー伊藤)を中心とした調査隊を派遣する。調査隊に参加した日東新聞・福田(フランキー堺)等の前に現れたのは身長30cmあまりの謎の小美人(ザ・ピーナッツ)。調査隊は島の平和を考え小美人と原住民の存在を公表しないことを約束して島を去るが、調査隊の責任者であり興行師でもあるネルソンは”妖精ショー”を企て、島に再上陸して小美人を誘拐、日本へと連れ去った。
 小美人を奪回して島に戻そうとする福田等の奮闘もむなしく”妖精ショー”は連日大ヒットを記録するが、島の象徴でもある小美人を連れ去られたインファント島の住民達の祈りに答え、遂に島の守護神モスラが卵から孵化。モスラの幼虫は小美人を求めて日本へと向かうのだった。。。。


モスラ ポスター.jpgスタッフ&キャスト
製作:田中友幸
監督:本多猪四郎
特技監督:円谷英二
原作:中村真一郎 福永武彦 堀田善衛
脚色:関沢新一
音楽:古関裕而

福田善一郎(日東新聞):フランキー堺
中条信一(言語学者):小泉博
花村ミチ:香川京子
中条信二:田山雅充
小美人:ザ・ピーナッツ(伊藤ユミ・伊藤エミ)
原田博士:上原謙
ネルソン:ジェリー伊藤
天野貞勝:志村喬
防衛軍指揮官:伊藤久哉


(2005/05/31)

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宇宙大怪獣ドゴラ (昭和39年・1964)

宇宙大怪獣ドゴラ宇宙大怪獣ドゴラ
丘美丈二郎 本多猪四郎 特撮(映像)
東宝 2005-10-28

地球SOS!ビルも人間も吸い上げる恐怖の大怪獣!

 1954年のゴジラ登場以降、アンギラスラドンバランモスラと陸・海・空に君臨する魅力的な新怪獣を次々と生み出してきた東宝が次に選んだ題材は"宇宙怪獣"。しかし、アイディア&イメージ先行だった為、世界に誇る円谷特撮技術をもってしても当時の特撮技術では実現できない特撮表現が多く、映画の軸を宝石を巡って暗躍するギャングを中心とする随所にユーモアを交えたアクション主体にせざるを得なかった、特撮映画としては失敗作ともいえる作品です。また、その為『宇宙大怪獣ドゴラ』は特撮映画ファンの間では、ポスターの絵柄が実際の特撮映像を完全に超越してしまっていることで有名な作品になっています。


宇宙大怪獣ドゴラ 本作『宇宙怪獣ドゴラ』では、勝算があっての選択だったと思われますが、CG全盛の現在とは違い、当時の創意工夫での特技撮影においてクラゲのような触手を持ったアメーバ状の生物として"ドゴラ"を設定したことと、宇宙大怪獣と大きくアピールしたが故の観客の期待度と実際の映像とのギャップが失敗作となった原因となっています。また、同年(昭和39年・1964)には東宝特撮怪獣映画の傑作『モスラ対ゴジラ』、『三大怪獣 地球最大の決戦』が『宇宙大怪獣ドゴラ』に前後して公開されている為、本作の特撮怪獣映画としての出来の悪さと合わせて一段と地味で目立たない、知る人ぞ知るというマニアックな存在の特撮映画ファンしか振り返らない映画にしてしまっています。

 「ヒトデとクラゲとタコを合わせたようなような、宇宙を海にして産まれた宇宙細胞」という設定で創造された"ドゴラ"の撮影はソフト・ビニールで作られたドゴラを水槽の中で圧縮ポンプの使用による水流によって浮遊感のある動きを表現したり、アニメーションを併用したりと試行錯誤した腐心により行われていますが、映画冒頭のガスを使用して撮影された呼吸しているような生物感のある映像、操演やフィルムの逆回しなどのテクニックを駆使した火力発電所で煙や石炭が空中に舞い上がるシーンなどの特撮映画としての見所はあるものの、肝心の自衛隊との攻防シーンではドゴラが一方的に攻撃を受けているようにしか見えず、映画全体の出来としては特撮映画として失敗作といわざるを得ず、昭和30年代に困難な題材に円谷特撮が果敢に挑戦した記録としてのみ評価される作品になっています。

*東宝の宇宙怪獣というアイディアは『宇宙大怪獣ドゴラ』の4ヶ月後に公開された『三大怪獣 地球最大の決戦』に登場する金色に輝く三つ首の名怪獣"キングギドラ"で実を結ぶことになります。

*東宝で1つの怪獣単体での主演作は『宇宙大怪獣ドゴラ』が最後。これは本作が失敗したことによる方向転換というより、東宝が『キングコング対ゴジラ』(昭和37年・1962)が成功したことによる怪獣対決路線に本格的に移行したのが原因です。ただし、当時好評を持って迎えられた怪獣対決路線ではありますが『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(昭和40年・1965)などのように単体主演作でも良かったのではなかったのかと思える作品にさえ唐突に怪獣(バラゴン)を登場させてしまうという弊害も生んでいます。


宇宙大怪獣ドゴラ_写真はイメージです[宇宙大怪獣ドゴラ - ストーリー]
 世界各地で異常な現象が頻発する中、テレビ衛星が謎の物体に破壊されてしまう。ある日の深夜、銀座の宝石店襲撃した浜子(若林映子)達ギャング団一味は金庫を溶かし宝石を空中に巻き上げるアメーバ状の怪生物と遭遇して逃走する。時を同じくして世界中の宝石店、ダイヤ原石運搬車などが襲われるダイヤ盗難事件が続発。
 世界的規模の盗難事件に警視庁外事課・駒井刑事(夏木陽介)は強盗団のマーク(ダン・ユマ)に翻弄されながらも事件を追う。しかし、強盗事件は国連宇宙対策本部の調査により炭素物質をエネルギー源とする放射能の影響で突然変異した宇宙細胞の仕業であることが判明。
 "ドゴラ"と名付けられた未知の宇宙生物は炭素物質を求めて石炭の豊富な北九州に姿を現して被害を広げて行くが、自衛隊の決死の集中砲火によって消滅する。しかし、消滅したかと思われたドゴラは爆発による細胞分裂により増殖、結果的にドゴラへの脅威を大きくしてしまう。攻撃の度に分裂・増殖を繰り返しながら巨大化してゆくドゴラに対して成す術が無い人類であったが、結晶構造学の権威・宗方博士(中村伸郎)の分析によりドゴラの唯一の弱点が発見された。。。。


宇宙大怪獣ドゴラ ポスター.jpgスタッフ&キャスト
製作・・・・・・・・・・・田中友幸、田実泰良
監督・・・・・・・・・・・本多猪四郎
特技監督・・・・・・・・・円谷英二
脚本・・・・・・・・・・・関沢新一
原作・・・・・・・・・・・丘見丈二郎 『スペース・モンス』
音楽・・・・・・・・・・・伊福部昭
   
駒井刑事・・・・・・・・・・・夏木陽介
マーク・・・・・・・・・・ダン・ユマ
宗方博士・・・・・・・・・中村伸郎
桐野・・・・・・・・・・・小泉博
昌代・・・・・・・・・・・藤山陽子
岩佐・・・・・・・・・・・藤田進
髭の男・・・・・・・・・・・河津清三郎
浜子・・・・・・・・・・・若林映子
駒井の上司・・・・・・・・田崎潤
新田・・・・・・・・・・・船戸順


(2007/03/10)

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