ブルークリスマス (昭和53年・1978)
![]() | ブルークリスマス 倉本聰 岡本喜八 勝野洋 東宝 2006-02-24 |
光り輝くUFOの目撃者の血が青くなる!
真実を隠されたまま、クリスマス・イブの夜に青き血の者の大量抹殺計画が発令された!
脚本家・倉本聰が2年の月日をかけて書き上げたオリジナル・シナリオ『SFブルークリスマス』を、「独立愚連隊」「日本のいちばん長い日
」といった日本映画の傑作を手がけた奇才・岡本喜八
監督が映画化。SF、UFO、人間の血が青くなるという怪奇現象という題材、しかも特撮映画を十八番とする東宝での製作でありながら、一切特撮を使わない心理サスペンスで描き切り、血と国家を巡る近代社会の恐怖と同時進行する複数のエピソードが救いの無い悲劇的なラストへと収束して行くまでを淡々と描いたSF映画の異色作。
『未知との遭遇』、『スター・ウォーズ
』などの派手なSF映画全盛の時代に、派手な特撮も無く地味な上、ヒトラーの大量虐殺まで彷彿させるエンターテインメントというにはあまりにも重過ぎるテーマを持った『ブルークリスマス』は当然ながら公開当初から興行的には失敗。一部の映画ファンのみに評価されるカルト映画として認識されていましたが、その後、リバイバル公開、テレビ放送などを経て何年もかけて徐々に再評価された映画です。
「つまり青い血に関する限り、将来への予測は全くついていない。そのとき、地球の指導者達は最小限安全な手をうつしかない。つまり、青い血を敵視する。人類全体が青い血に対して恐怖をもつようにしむけていく。それがこれまで歴史的に見て、政治家達がとってきたやり方じゃないですか」
何の罪もなく、偶然UFOを見て血液の色が変わってしまった者達を「青い血は人類の敵という証拠も無く、また反対にそうでないという証拠も無い」と畏敬の者として怖れ、将来の脅威かも知れないものは芽の内に摘みとるべきものとして抹殺しようとする体制の恐怖と冷酷さを岡本喜八監督がそれまでの作品でも描き続けてきた権力への懐疑心がSFの形を借りて語られています。岡本喜八、倉本聰が『ブルークリスマス』で描きたかったのは正にこの部分であり、映画の中で語られずに終わってしまう幾つかの謎も(観る側からするとスッキリしませんが)製作者側としては描きたかった物語の本質から考えると然程重要な事ではなかったということかもしれません。
[ブルークリスマス - ストーリー]
世界中でUFOとの遭遇事件が頻発し、宇宙人の存在を講演した城北大学の兵藤博士(岡田英次)が失踪。日本国営放送JBCの報道局員・南一矢(仲代達矢)は局長から兵藤博士の失踪事件を追うように命じられる。兵藤博士がアメリカのUFO調査機関ブルーノートにいるという情報を得た南は、なんとか接触に成功するが、博士からUFOを目撃した者はUFOからの光線を浴びて血が青くなるという衝撃的な事実を聞かされる。その後博士は何者かに連れ去られロボ・トミー手術を施されてしまい記憶を失い、南も政府機関からの圧力によりヨーロッパに転勤を命ぜられる。そして、事実は闇の中に葬られてしまった。
その頃、国防参謀本部の沖退介(勝野洋)は理髪店に勤める西田冴子(竹下景子)を見染めて付き合い始める。幸せを目の前にした沖だったが、沖はUFO目撃者を対処する特別部隊に配属されており、政府機関は秘密裡にUFO目撃者全てを抹殺する計画を発令、沖も青い血の人間を抹殺する任務を次々と実行に移していた。政府は全国民の血液検査を実施し、青い血を持つものはシベリアの強制収容所で実験台となり、植物人間となっていた。何故青い血を持つものをこの世から消さなければならないのか?事実は隠されたまま、青い血を持つ人間達が武力蜂起を起そうとしているという証拠が作り上げられ、クリスマス・イブの夜に収容所送りを意図的に見逃されていた者たちへの特殊部隊による大量虐殺は開始される。沖が抹殺しなければならなかった相手とは?そして青い血の謎は?
【スタッフ&キャスト】
監督・・・・・・・・・・・岡本喜八
脚本・・・・・・・・・・・倉本聰
音楽・・・・・・・・・・・佐藤勝
主題歌・・・・・・・・・Char 「Blue Chrismas」
国防庁特殊部隊員 沖退介・・・・勝野洋
西田冴子・・・・・・・・竹下景子
南一矢・・・・・・・・・・仲代達矢
兵藤光彦・・・・・・・・岡田英次
代議士風の男・・・・・天本英世
代議士風の男の側近・・・・岸田森
国防庁特殊部隊員 沢木・・・・・・高橋悦史
国防庁特殊部隊員 原田・・・・・・沖雅也
沼田報道部長・・・・・中条静夫
雑誌記者 木所・・・・岡田裕介
女優 高松夕子・・・・新井春美
兵藤夫人・・・・・・・・・八千草薫
西田和夫・・・・・・・・・田中邦衛
![]() | Singles(1976-2005) Char 天野滋 阿久悠 ユニバーサルJ 2006-07-19 |
(2006/09/18)
- by axis_009












comments
これはカルト映画ですね。中学生の頃に見ました。
どうもすっきりしない映画で、ただ国家が事実を闇から闇へ葬り去るというのが不気味でした。
ラストは本当に救いが無い結末。でも、映画館で見た時は彼女を撃つ前に回りを撃って一緒に逃げろよ、と思ってました。
チャーの主題曲も良かったです。
作中で謎が最後まで明らかにされないところがかえってイメージを膨らませられて不気味な映画。怪しい天本英世、岸田森の二人組みが特に怖い。
>製作者側としては描きたかった物語の本質から考えると然程重要な事ではなかった
なるほど!語られないことによって見た人それぞれによってイメージが広がるということもありますしね。