Search


since 2006.07.31


エスパイ (昭和49年・1974)

エスパイエスパイ
小川英 福田純 藤岡弘
東宝 2004-09-25

四次元からの人類抹殺命令!
1千万人に1人の超能力スパイが展開する驚異のSFアクション!!
激突するスーパー超能力!世界を制する超能力者、その名はエスパイ!
壮烈・華麗に展開するスペクタクル巨編!

 『日本沈没』の大ヒットにより復権した東宝特撮映画が『日本沈没』公開の翌年に再び小松左京原作のSF小説を映画化。派手なアクションと華麗な超能力の影に隠れた、超能力を持つ者だけが知る悲しみを描いた異色SF作品。


 超能力者を集めて組織された国連の秘密組織・国際超能力機構"エスパイ"(エスパー+スパイ)と、同様に超能力者で構成され、各国の要人を暗殺して国際紛争を巻き起こそうと暗躍する敵組織"逆エスパイ"とのテレポーテーション(瞬間移動)、テレパシー(遠感)、サイコキネシス(念力)、クリアボワイヤンス(透視)などの超能力を駆使した東西冷戦下での超能力対超能力戦。昭和49年(1974年)、スプーン曲げのパフォーマンスで有名なユリ・ゲラーの来日など"超能力ブーム"のピーク時に公開されたSF超能力アクション映画です。

エスパイ ゴジラ・シリーズにおいては数々の悪条件の中で(低予算、子供映画への転換期など)何とか作品を仕上げるものの、良くて「異色作」「問題作」などと評価され(悪くて「駄作」「失敗作」など)、ゴジラ映画の監督としては分の悪い福田純監督作品。スパイ映画製作の実績もあり、本作の様なサスペンス、アクション物は得意の分野である筈なのですが、原作、及び脚本の問題なのか、ストーリー展開、アクション等の演出にも切れが見えず、敵役の若山富三郎演ずるウルロフの幼児期の悲惨な体験などの設定も精神的な部分での掘り下げ方が甘いため、"愛ゆえの超能力"、正義のエスパイ側との対比も薄くなるばかりか、人間ドラマと娯楽作品の何れに重点を置いて描きたいのかが中途半端。人間ドラマとしての感動も無く、娯楽作品としての爽快感もありません。その上、エスパー映画として観客が一番期待するであろう部分、肝心の超能力を描写する特撮シーンの稚拙な表現もあり、福田純監督はここでも「異色」なだけの作品を作り上げてしまっています。
 冒頭に書いたような"超能力を持つ者だけが知る悲しみ"が物語の柱として最後まで描きる事が出来れば冒険活劇映画の佳作と成り得た可能性があったものの、結局"最後に愛は勝つ"的なラストも尾崎紀世彦の熱唱するテーマ曲"愛こそすぺて"と合わせて陳腐。(これは間違いなく原作と映画化での方向性の問題。)

エスパイ 藤岡弘 & 草刈正雄 小松左京原作の映画では『日本沈没』(森谷司郎監督)、『復活の日』(深作欣二監督・角川映画)などのヒット作もありますが、本作『エスパイ』は『さよならジュピター』(総監督:小松左京、監督:橋本幸治・1984年)と並ぶ失敗作。元々原作の『エスパイ』(1964年発表)自体が大して面白い小説でもなかったのにもかかわらず、当時人気のあったスパイ映画"007/ジェームズ・ボンド・シリーズ"(『007/黄金銃を持つ男』1974年)、そして"超能力ブーム"と前年から続く"日本沈没ブーム(小松左京ブーム)"に合わせて引っ張り出されたようなところもあり、最初から期待薄の映画だったのかもしれません。しかし、物語の題材、コンセプトには充分面白くなる要素が多々あり、思い切って原作を離れて設定だけを生かしたオリジナル脚本で完全な娯楽作品にしてしまった方が良かったのではないかとも思える作品です。(小松左京が許さない可能性が高いのですが。。。)

 あえて見どころを書けば、『日本沈没』に続いて小松左京原作に連投の藤岡弘の熱すぎる演技、若き草刈正雄の二枚目ぶり、こうした特撮物でも変わらぬ安定した重厚な演技を見せる若山富三郎、そして公開当時に最も話題となった由美かおるが催淫剤によってランジェリー姿の胸を露わにしてセミヌードを披露する官能的なシーン等。エスパイのボス・法条を演じる加山雄三のキャスティングは疑問が残るところです。


エスパイ ポスタースタッフ&キャスト
製作・・・・・・・・・・・田中友幸、田中文雄
監督・・・・・・・・・・・福田純
原作・・・・・・・・・・・小松左京
脚本・・・・・・・・・・・小川英
音楽・・・・・・・・・・・平尾昌晃、京建輔

田村良夫・・・・・・・・・藤岡弘
マリア・原田・・・・・・・由美かおる
三木次郎・・・・・・・・・草刈正雄
法条・・・・・・・・・・・加山雄三
ウルロフ・・・・・・・・・若山富三郎
巽五郎・・・・・・・・・・内田勝正
バルトニア首相・・・・・・スティーブ・グリーン
サラバッド・・・・・・・・岡田英次
寺岡・・・・・・・・・・・睦五郎
ゴドノフ・・・・・・・・・ジミー・ショウ
国連調停委員A・・・・・・ロジャー・ウッド
国連調停委員B・・・・・・アネスト・ハーネス
P・B・・・・・・・・・・・アンドリュー・ヒューズ
アブドウラ・・・・・・・・・・・ウイリー・ドーシー
ボール・・・・・・・・・・・山谷初男
逆エスパイA・・・・・・・・・・・ロルフ・イエッサー
逆エスパイB・・・・・・・・・・・ゲルマル・ライナー
逆エスパイC・・・・・・・・・・・フランツ・グルーバー
逆エスパイD・・・・・・・・・・・バート・ヨハンソン
バルトニア首相秘書・・・・・・・・・・・デュケネ
バルトニア首相護衛官・・・・・・・・・・・ギンター・グレイブ
特別機機長・・・・・・・・・・・ロバート・ダンハム
特別機副機長・・・・・・・・・・・ヘンリー
少年時代の三木・・・・・・・・・・・ジュリー・クラブ
少女ジュディ・・・・・・・・・・・ケリー・バンシス

小松左京 エスパイ


(2007/07/05)

| HOME |
バンダイネットワークス株式会社

trackbacks

「エスパイ」(後編) from 古今東西座

東欧バルトニア国の内戦を調停するために国連から派遣された東欧紛争調停委員4人が、移動中の列車内で射殺される事件が勃発。これを超能力者の仕業と判断した国際超...

comments

当時の由美かおるは映画だと必ずヌード・シーンを期待される女優さんでしたが、「同棲時代」などの陰惨な映画よりもこの映画でのヌード・シーンが一番エロチックでした。SF映画を隠れ蓑にして由美かおるを見に行く中高生も多かったのでは。僕だけか・・・(笑)

映画そのものは書かれている通り良い出来では内容に思います。由美かおりの問題のシーンなど、いくつか印象的なシーンもありましたが、映画の内容は殆ど印象に残ってません。

>"最後に愛は勝つ"的なラスト
「日本沈没」などは違いますが、小松左京のSF小説って意外とこの手の展開が多いですよね。こういうのが流行る時代だったのかもしれませんね。

  • 氷川
  • 2007年07月10日 01:37


comment form

(Godzilla and Other Assorted Fantastic Monsters にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form


バンダイネットワークス株式会社

amazon.co.jp


ゴジラ DVDコレクションI
ゴジラ DVDコレクションI(5枚組)
■ゴジラ
■ゴジラの逆襲
■キングコング対ゴジラ
■モスラ対ゴジラ
■特典ディスク
『海外版 モスラ対ゴジラ』


ガメラ生誕40周年記念 Z計画 DVD-BOX
B000CEGVJS

Category Archives

クレジットカード




クレジット・カードはメインとサブの2枚を持つのが基本。それ以上の枚数を持っていても、年会費だけ払って使う機会がなかったり、各カードのポイントも分散されて無駄になってしまうだけです。
現在、個人的にオススメの組合せは、プライベート、そしてビジネスに、あらゆる場面で使える"三井住友VISAカード"と永久年会費無料の"楽天カード"の組合せです。VISAとJCBの両方が持てるように楽天KCカードはJCBを選んでおくのがベスト!!


エスパイ (昭和49年・1974)
[特撮映画レビュー/ストーリー etc.]