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大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン (昭和41年・1966)

B000UABX8I大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン [DVD]
角川エンタテインメント 2007-10-26

一瞬に大阪市街を焼きつくすガメラか!
ひと吹きで大阪城を凍らすバルゴンか!
琵琶湖水中の大激突!

 『大怪獣ガメラ』(昭和40年・1965)が昭和40年度の大映作品興行成績第1位を収めるほどの大ヒットを記録したことにより、急遽シリーズ化が決定した大映特撮怪獣映画ガメラ・シリーズの2作目。
 大映制作の特撮映画で初めてヒットした『大怪獣ガメラ』の続編ということもあり、以後のガメラ・シリーズを含めても最も予算がかけられた作品。前作で監督を務めた湯浅憲明監督が特撮監督に回り、サスペンス映画などを得意とする大映のベテラン田中重雄を監督に迎え、東宝同様に本編と特撮の2班体制を組んだガメラ・シリーズ随一の豪華な布陣で製作されており、"秘境探検物"としてのリアルで重厚な人間ドラマ部分と鮮やかな虹色の光線を発するバルゴンとガメラの"2大怪獣の戦い"を描く特撮部分がガメラ・シリーズ最高の出来を誇ると共にその2つが絶妙のバランスで共存する大映の怪獣映画としてだけでなく、特撮怪獣映画史上に残る傑作の1つです。


 観客として青年以上の年齢層を想定して製作された『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』は特撮怪獣映画として高い評価を得て興行収入的にも成功を収めたものの、低年齢層を中心とした"怪獣ブーム期"の特撮怪獣映画としては子供には理解し難い人間ドラマ部分の複雑な人間関係、ガメラが欲に駆られた人間達とバルゴンの騒動に言わば巻き込まれた形で登場するというガメラの存在感の薄さ、子供が喜ぶ怪獣登場シーンが少ないなどの反省から次作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(昭和42年・1967)以降、徐々に映画に登場する子供主導で子供にも分かりやすいストーリーが展開する純粋なる子供向け映画に特化して行くことになりますが、それ故にリアルな大人の人間ドラマを描き、充分な予算をかけた特撮シーンをふんだんに盛り込んで本格的な怪獣映画を目指した本作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』は、シリーズ内でも例外的な作風を持った作品となり、後年の大人の鑑賞に耐えうる昭和ガメラ・シリーズ唯一と言っても良い程の特撮怪獣映画となっています。また、前作『大怪獣ガメラ』で壊れかかった灯台から子供を助けるという"子供好き"の一面を早くも見せていたガメラですが、上記した様に対象年齢を高めに設定した本作では一転してガメラ・シリーズで唯一の子供が登場しない作品になっています。

 本作におけるガメラのポジションは前作『大怪獣ガメラ』での破壊の限りを尽くす"人類の敵"的な悪のイメージは薄れ、『ガメラ対ギャオス』以降の"子供の味方"、"人類を守る地球の守護神"といった完全なる善側でもない、本能のまま破壊し本能のまま敵怪獣と戦うという善悪には関係の無いポジション。人間ドラマ部分にも重きを置いた特撮怪獣映画としてはガメラがバルゴンを倒してしまっては人間ドラマ部分の印象が薄れてしまうし、反対に人間がバルゴンを倒すという話にしてしまっては2大怪獣の対決、ガメラの登場自体が物語の本筋からは意味の無いエピソードのになりかねず、物語のバランスを取る為にはこういったポジションにガメラを置かざるを得なかったのではないかと思われますが、ガメラも人間側も意図していたわけではないとは言え最終的には協力してバラゴンを倒した形になっているのは物語として意外にまとまっており、制作側の苦心のストーリー展開が上手く成功しているのではないかと思います。また、ある意味で特撮怪獣映画がシリーズ化する上で通らざるを得ない道、ゴジラ・シリーズが通ってきた道をガメラも辿ったととも言えますし、奇遇にも『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』と翌年の『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』は同年に制作された東宝『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(昭和41年・1966)での巻き込まれた形でのゴジラ登場に近い展開になっています。
 個人的にはこの時期のゴジラ・シリーズとガメラ・シリーズを比較すると特撮怪獣映画としての出来は『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』の方が上ではないかと思われ、本作(昭和41年)と翌年(昭和42年)の『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(昭和42年・1967)に限っては特撮映画の分野で東宝に敗北を続けた大映が(興行成績云々は別として単純に特撮怪獣映画としての面白さにおいて)遂に特撮怪獣映画の代名詞ゴジラ・シリーズを超えた年になったと言っても良いのではないでしょうか。
*但し、同年東宝には『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(昭和41年・1966)という公開時には興行的に苦戦してゴジラ・シリーズ、ガメラ・シリーズほどの成功は収められなかったものの、公開後から年月を経るほどに評価が高くなっていった本格派特撮怪獣映画の名作があります。

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[大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン - ストーリー]
 ガメラ日本襲撃から半年。"Zプラン"によって宇宙空間に追放された"ガメラ"を乗せたロケットが隕石に激突。宇宙空間でも生き延びる驚異的な生命力を持ったガメラは破壊されたロケットから脱出して、地球生物の本能によって地球へ向かって飛び立った。ガメラは"お礼参り"のごとく日本に舞い戻って黒部ダムを破壊しつくし、より大きな熱エネルギーを求めて赤道の火山帯へと去っていった。

 一方その頃、戦時中にニューギニアの洞窟で卵大のオパールを発見していながら持ち帰ることが叶わなかった平田一郎(夏木章)はオパール回収計画を企て、足を痛めている自分の代わりに弟の圭介(本郷功次郎)、船乗りの川尻(早川雄三)、そして遊び人の小野寺(藤山浩二)を計画に引き込んで3人をニュージーランドへと向かわせた。
 川尻の手引きであわじ丸に乗り込んだ3人はニュージーランドに到着し、秘境の村で風土病を研究する松下博士(菅井一郎)と助手のカレン(江波杏子)と出会う。村民達の反対にも拘らず禁断の森に向かった3人は洞窟内で一郎が戦時中に隠したオパールを発見することに成功するが川尻は猛毒を持つサソリに刺され死亡。そしてオパールを独り占めすることを目論んだ小野寺は圭介を洞窟内に残したまま洞窟を爆破して一人帰国の途に着いた。

 小野寺が肌身離さず持っていたオパールは、小野寺があわじ丸の船中で受けていた水虫治療の赤外線照射に反応。そして日本到着まで後僅かに迫ったある日、毎日のように赤外線を浴びていた虹色のオパールの中からトカゲのような生物が現れた。皆がオパールだと思っていた宝石は怪獣"バルゴン"の卵だったのだ。浴び続けた赤外線の影響により急激に巨大化したバルゴンはあわじ丸を沈め、そのまま日本へと向かい神戸港に上陸した。
 バルゴンの発する冷凍光線は神戸、大阪の街を氷結させ、背中の背びれから放射される虹色の光線は防衛隊を全滅させた。虹色光線のエネルギーに引き寄せられてガメラも再び日本へ飛来し、炎の怪獣"ガメラ"と氷の怪獣"バルゴン"は大阪城を舞台に激しい戦いを繰り広げるが、ガメラはバルゴンの強力な冷凍光線によって氷漬けにされてしまう。

 小野寺によってニュージーランドの洞窟に閉じ込められていた圭介はカレンの助けにより洞窟を脱出。宝石は千年に一度現れる怪獣バルゴンの卵であり、好物とするダイヤモンドなどの宝石類で誘導して唯一の弱点である水中に沈めてしまうしか撃退方法が無いことを知る。
 圭介とカレンはバルゴン誘導用の大きなダイヤモンドを携えて帰国し、対策本部でバルゴンが水に溶けてしまうことを報告。直ちに対策本部でバルゴンを琵琶湖に誘導する計画が練られ、バルゴン誘導作戦が開始された。。。。
 


スタッフ&キャスト
製作:永田雅一/企画:斎藤米二郎/脚本:高橋二三/監督:田中重雄/特撮監督:湯浅憲明
出演/圭介:本郷功次郎、カレン:江波杏子、平田一郎:夏木章、小野寺:藤山浩二、川尻:早川雄三、自衛隊司令官:見明凡太朗、警視総監:伊東光一、大阪府知事:高村栄一、松下:菅井一郎、船医:藤岡琢也、天野教授:北原義郎

(2006/11/28)

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角川エンタテインメント 2009-07-24

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☆☆(4点/10点満点中) 1966年日本映画 監督・田中重雄 ネタバレあり

comments

>>大人の鑑賞に堪えつつも子供向け映画としても成立している
 正にその通りの映画ですね。この「ガメラ対ギャオス」の路線でこの後も続くと良かったのにね。子供心にもお寒い内容になっちゃって残念でした。
 やはりガメラシリーズで特撮ファンが観ておくべきは「ガメラ対バルゴン」と「ガメラ対ギャオス」だと思います。後は興味本位で怖いもの見たさ(ネタとして)みたいな感覚で良いんじゃないでしょうか?

  • jirokichi
  • 2007年01月28日 20:10

ガメラシリーズの最高傑作!!
ガメラに登場する怪獣では一番有名なギャオスの影に隠れて、この映画に登場するバルゴンは知名度もデザインもちょっと地味。ギャオス以降に登場する怪獣もギロンやバイラス、ジグラなど、かっこいいかどうかは別としても個性的な怪獣ばかりで普通の爬虫類っぽいデザインの怪獣バルゴンはインパクトの面でも分が悪い。
 でも、この映画好きなんですよ。なんといってもストーリー、そしてこの後のガメラシリーズでは見られない独特の大人の冒険譚が良いんですよね。^^
 ガメラシリーズで一本見るなら、まず「ガメラ対バルゴン」だと思います。

  • MASH
  • 2007年01月31日 07:25

こんにちは。「オタクイーン」と申します。以前失礼ながらTBさせていただきましたが、コメントは今回が初めてです。ご挨拶が遅れ申し訳ありません。
「ガメラ対バルゴン」は再見すると、大映作品らしいダイナミックな映像づくりに圧倒されます。ガメラとの戦闘時、まるでジャンプしているかのようなバルゴンの動き。回転ジェットで虹色光線に激突するガメラの迫力。ストーリーの魅力もさることながら、ナイトシーンに映える怪獣対決の優れたビジュアルもこの作品の魅力なのでしょうね。

>jirokichi さん、MASHさん、オタクイーンさん
私もこの映画がガメラ・シリーズの中では一押しです。^^
でも、次作の「対ギャオス」もいろんな意味でバランスが良い映画なので甲乙つけがたいですね。この辺は見る人の好みで評価が変わって来るんでしょうね。

>オタクイーンさん
>>ご挨拶が遅れ申し訳ありません。
こちらこそ。いつもコメントも残さない横着な読者で申し訳ないです。^^;

  • axis_009@管理人
  • 2007年02月12日 09:33

こんばんは!
やっぱりあたしはお子ちゃまなのね。
この映画は、イマイチなんですよねぇ、、、



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