大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス (昭和42年・1967)
![]() | 大怪獣空中決戦 ガメラ対ギャオス 本郷功次郎.笠原玲子.丸井太郎.北原義郎.夏木章.上田吉二郎.蛍雪太郎 湯浅憲明 角川エンタテインメント 2007-10-26 |
人喰いギャオスが殺人音波で帰ってきたぞ!
つっこめガメラ火炎噴射のマッハ3で体あたりだ!
『大怪獣ガメラ』、『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』に続くガメラ・シリーズ第3作。前2作のヒット、過熱する怪獣ブームの影響により、更に娯楽性の強いファミリー映画としての性格が強化された作品です。低年齢層を意識した怪獣映画としては珍しいテーマ・ソング"ガメラの歌"(ひばり児童合唱団)も本作エンディングで登場。
ガメラは本作品から人類の味方"完全なる善の怪獣"として描かれ、その分敵役であるギャオスは残虐性の強い凶悪な"完全なる悪の怪獣"として描き勧善懲悪の強い構図となっています。また、本作から営業戦略として各種少年誌とのタイアップによる露出など、現在でいうメディア・ミックスが行われ、"子供の味方・ガメラ"を主要観客層である子供達に充分にアピールすることに成功して大ヒットを記録。東宝ゴジラ・シリーズと並ぶ堂々たる特撮怪獣映画としてのポジションを確立しました。
『ガメラ対バンパイヤー』として企画された初期段階の吸血怪獣という怪奇的な設定を残した鋭角的なフォルムを持つ翼竜怪獣ギャオスは、血を求めて超高速で飛び回って人を食うという残虐さから低年齢の観客層に極めて強烈なインパクトを与え、"ガメラの宿敵"としてガメラ・シリーズ随一の人気怪獣となり、映画、及びテレビ映画に登場する怪獣の中でも最も有名な怪獣の一つになりました。。作品の完成度、面白さでは『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』には劣るものの、ガメラ・シリーズの代表作として『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』が挙げられることが多いのは、大人の鑑賞に堪えつつも子供向け映画としても成立しているバランスの良さに加え、ひとえに人気怪獣ギャオスの登場に因るところが大きいと思われます。
背骨が喉の辺りから二枝に分かれて音叉のような働きをして超音波メスを発する反面、首が回らないため背後が死角になる、火を嫌う性質から黄色い霧のような消化液を噴射する、飛行時の戦闘機を思わせるデザインと尾翼の役割を果たす形状を持つ尻尾など、ギャオスの数々の設定は怪獣映画としてのリアリティ、デザイン的な格好良さなど、悪の象徴として描かれたギャオスを一段と魅力的なものにしているとともに、ギャオスの持つ弱点やデザインは死角の背後からギャオスを襲うガメラ、ガメラとのスピード感のある空中戦時などで2大怪獣の対決に面白味を加え、紫外線に弱いというギャオスの弱点も人間対ギャオスという攻防戦においてストーリーに一段と膨らみを持たせる効果に繋がり、特撮怪獣映画としての面白さを更にスケール・アップさせています。
本作で悪の怪獣ギャオスを倒して"正義の味方"、"子供の味方"という存在を子供達にアピールしたガメラは、子供主導でストーリーが進む完全なる子供向け映画へと移行。また、次作以降はアメリカへのテレビ放映用作品としての販売を前提に製作され、アメリカ人の子役の出演、米テレビ規制を意識した勧善懲悪化が更に進むことになります。

[大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス - ストーリー]
富士山麓の村では堤志郎主任(本郷功次郎)を中心とする道路公団の建設作業員達と村長・金丸辰衛門(上田吉二郎)を始めとする村民達の間で高速道路建設の土地の売買をめぐって対立が続いていた。そんなある日、徐々に活動が活発化していた富士山が噴火、その炎のエネルギーに引き寄せられて"ガメラ"が飛来する。村長の孫・英一(安部尚之)は取材で村を訪れた新聞記者の岡部(三夏信)を案内して山中に入るが、突如現れた蝙蝠のような翼を持つ巨大怪獣に襲われる。英一の危機に現れたガメラは、翼竜怪獣の発する超音波光線に苦しめられて傷を負いながらも、何とか怪獣を追い払うことに成功。英一を怪獣から守ったガメラは英一を背中の甲羅に乗せて町まで飛び、英一は堤志郎の機転によりガメラの甲羅から救出された。
英一によって"ギャオス"と名付けられた怪獣に対して自衛隊の戦闘機が出動するが、ギャオスの超音波メスにより切断、次々と撃墜された。しかし、英一の「ギャオスは夜にしか現れない」という疑問から「ギャオスは太陽に弱い」と推測した堤志郎はギャオス対策本部に光を利用した対策を提案する。
そしてある夜、遂に富士山麓の巣を飛び出したギャオスは名古屋を襲撃する。高速で飛ぶギャオスの巻き起こす衝撃波と超音波メスは名古屋の町を破壊。そこに再びガメラが現れて名古屋市街上空で2大怪獣の空中戦が展開される。ギャオスの胸部から噴射された消化液によってジェット噴射を消されたガメラは伊勢湾に落下するが、ギャオスの足に噛み付いて反撃。次第に日の出を迎え、苦しむギャオスは超音波メスで自らの足を切断、富士山麓の巣へと逃げ戻り、深手を負ったガメラは傷をいやすために海中へと沈んだ。
ギャオスが太陽光線に含まれる紫外線に弱いことが明らかとなり、対策本部ではギャオスが好物とする血液でギャオスを誘き寄せて捕獲、夜明けまで足留めして紫外線を浴びせる作戦を立案。それに伴いホテルの最上階にある回転レストランに人工血液を集めた巨大なプールが設置された。ギャオスを誘き寄せる作戦は成功し、展望レストランの回転により目を回したギャオスはレストランに取り付いたまま動けなくなってしまう。しかし、夜明けまであと僅かというところで発電所がオーバーロードにより出火、電力の供給を絶たれた展望レストランの回転が停止。自由になったギャオスは飛び立ち、作戦は失敗に終わってしまった。
孫の純真な心に打たれた村長の金丸は、策の尽きた対策本部に対して、自分の所有する山林に火を放って炎のエネルギーを求めるガメラを引き寄せ、火を嫌って消化液で炎を消しに現れるギャオスと再び戦わせる作戦を提案するのだった。。。。
【スタッフ&キャスト】
製作:永田秀雅/企画:仲野和正/脚本:高橋二三/監督:湯浅憲明
出演/堤志郎:本郷功次郎、金丸辰衛門:上田吉二郎、金丸すみ子:笠原玲子、金丸英一:安部尚之、マイトの熊:丸井太郎、八公:螢雪太郎、青木博士:北原義郎、自衛隊中部司令官:夏木章、県警本部長:大山健二、道路公団開発局長:伊東光一、道路公団地方課長:遠藤哲平、ホテル支配人:ジョー・オハラ、岡部:三夏信
![]() | ガメラ THE BOX 1965-1968 特撮(映像) 徳間ジャパンコミュニケーションズ 2001-10-11 |
![]() | ガメラ生誕40周年記念 Z計画 DVD-BOX 湯浅憲明 田中重雄 金子修介 角川エンタテインメント 2006-08-31 |
(2006/12/05)
- by axis_009













comments
ガメラシリーズで今見直しても楽しめるのはこの「ガメラ対ギャオス」までだと思います。「バイラス」以降は余りにも作りが粗すぎるし、予算削減で特撮部分やセットも貧弱。登場人物も必要最低限の人数で映画自体が子供騙しの様に感じます。(子供の頃に見た時は楽しかったんですけどね)
大映が危なくなってきたとはいえ、ヒット・シリーズになったガメラを予算を掛けずに制作しても客が入るからと、その時だけの集金用の映画にしてしまっているような感じです。TT
>jirokichiさん、niceさん
実は去年(2006年)の春にYahoo!で無料ネット放送をしていたガメラ・シリーズを見逃してしまって悔しかったのと、記事でもリンクを貼っている「ガメラ生誕40周年記念 Z計画 DVD-BOX」がamazonで激安で売っているのを半年ほど前に見つけてしまって、ついつい購入ボタンを押してしまいました。と言う訳で、せっかく買ったのだからとこうして記事にしているわけなんです。^^;
お二人も書かれているように面白いのはやっぱり『対バルゴン』『対ギャオス』。後の作品は「懐かしさ」や「大映ガメラ独特のカラー」を楽しむ、というノスタルジー的の見方が出来ないと見るのは厳しいですね。(平成3部作は除く)
でも、このボックスセットを安く手に入れることが出来たことと昭和ガメラ・シリーズ、平成ガメラ3部作全てが手元におけること、また、久々に見ることが出来た作品などもあり、なかなか満足しています。^^♪
>「ガメラ生誕40周年記念 Z計画 DVD-BOX」がamazonで激安で
確かにあれだけ割り引かれているとボタン押してしまいそうですね。でも、ガメラってそんなに人気が無いのかって悲しくなってしまいました。(苦笑)
>jirokichiさん
>>でも、ガメラってそんなに人気が無いのかって悲しくなってしまいました。^^;
確かにそうですね。^^;
考えてみると私も欲しかったのは「バルゴン」「ギャオス」と平成ガメラの1作目だけだったし、BOXで全作品持っていなくても、と考える人が多かったのかもしれませんね。(でも、amazonなどを見てみると現在は単品が中古しか無いようなので、単品が欲しくても他に選択肢がなさそうです。)
PS:私がボックス・セットを購入した時(2006年・夏の終わりごろ)は40%引きまで販売価格が落ちてましたが、現在は20%ぐらいにまで戻っているようです。手元にDVDがあっても頻繁に見るわけではないですが、なんと言っても安い時に買えて良かった。^^♪
2006年の年末は半額になってましたよ。amazonの販売価格って結構変動するもんだなぁ、と思ってみてました。
こんばんは!
ギャオスって足の裏から空気を噴射して飛ぶんですね。
だから、羽ばたかないでも、飛び立てる。
知りませんでした。