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世界大戦争 (昭和36年・1961)

世界大戦争世界大戦争
八住利雄 松林宗恵 円谷英二
東宝 2004-12-23

芸術祭参加作品・日本国民の悲願空しく人類最後の時は来た!
全世界の人々に訴える問題作!

 微妙なバランスの上で成り立っている国家間の対立。当時の東西冷戦構造、世相をストレートに反映させ、現実にも起こり得る"もしも"の世界を破滅への警告と平和への願いを込めて映像化した特撮感動巨編。
 同盟国軍と連邦国軍のICBMミサイル発射シーン、都市破壊シーン等のスペクタクル特撮映像も見事ながら、戦争とは全く結びつかない、ささやかな幸福を望み日々生真面目に生活を営む平凡な庶民の姿をまるで文芸作品のように描き、淡々と最終戦争に向かって進み、一瞬にして人々の幸せ、明るい未来、そして平和な世界を終わらせてしまう非情の物語は、人間ドラマとしても丁寧に描かれているだけに一層胸に迫ると共に、生々しい生活描写ゆえ観客自身にもリアリティーのある悲劇として深く刻み込まれます。


世界大戦争 フランキー堺、乙羽信子、星由里子 笠置丸の船上で最後の時を迎えた高野(宝田明)と婚約者の田村冴子(星由里子)が「サエコ、コウフクダッタネ」「タカノサン、アリガトウ」と明るい未来があったはずの二人が無電の通信文で交わす最後の会話。洋上にあり核ミサイルの被害を免れた笠置丸で江原(笠智衆)が呟く「全世界の人々がもっと早く声を揃えて、戦争は嫌だと言えばよかったんだ。。。人間は素晴らしいものだがなぁ。。。人間は一人もいなくなるんですか。。。」という優しい声だけに余計に胸に響く言葉。
 最終戦争へ向けて逃げまとう人々を横目に「戦争なんかおこるもんか」とやり場の無い怒りと共に自分を言い聞かせるように言い、自宅に残った田村一家の豪華な最後の晩餐。そして抑えきれなくなった無常感に絶叫する田村(フランキー堺)の台詞は偽政者たちの思惑によって全てを奪われてしまう人々の心の叫びを代弁するものであり、涙無しには見られないフランキー堺の物干し台での名演によって、より深く心に響く本作品の根底に流れる重要なテーマ。平凡な庶民の生活の喜怒哀楽と築いてきた幸せを、庶民の生活とは全く関連の無いところで行われる偽政者たちの愚行により一瞬にして奪う核戦争の対比。庶民一人一人に焦点をあてて丁寧に描いているだけに、その時を迎えた人々の恐怖と怒りがリアリティーを持って映画を観る者に迫ります。
 両陣営のジェット機による空中戦での操演、水爆の爆発による爆風でなぎ倒されてゆくビル群の表現、通常の平台の上での撮影だけでなく、シーンによって空中や水槽内に逆さまに吊り下げたミニチュアセットで撮影した火炎や煙の表現テクニックなど、当時の特撮技術の集大成的な特撮映画として高度な技術が惜しみなく使われ、素晴らしい特撮映像を観ることが出来る作品ですが、その特撮シーン全てが本作品で一番訴えたかったテーマをより明確に浮かび上がらせる為だけに丹念に作りこまれたと言っても過言ではありません。


[世界大戦争 - ストーリー]
 戦後16年。日本もようやく復興を果たし、外人記者クラブの運転手・田村茂吉(フランキー堺)の関心は、娘の冴子(星由里子)の結婚と今より少しだけ裕福な生活水準。冴子は笠置丸の通信技師・高野(宝田明)との結婚が決まり、その笠置丸の炊事長・江原(笠智衆)は病後の逸早い回復を望み生きる素晴らしさを感じ、娘の江原早苗(白川由美)も保育園の運営に忙しく日々を送っていた。しかし、そうしたささやかな幸せを望み、慎ましやかに日々生活を送る人々の知らないところで世界の破滅へのカウント・ダウンが始まっていた。
 同盟国軍連邦国軍の緊張高まる38度線。一般市民にとっては実感の無い対立であったが、ある日連邦国軍で開戦のランプが故障により点灯し、核ミサイルが発射体制に入ってしまう。ミサイルの発射は発射寸前で回避されるが、38度線で両軍の小競り合いが起き、小型の核兵器が使用されてしまう。日本政府は平和へ向けての緊急声明を発表して核兵器の使用中止を訴えるが、両陣営は全面戦争へと突入する。。。。


世界大戦争 ポスタースタッフ&キャスト
製作・・・・・・・・・・・・藤本真澄、田中友幸
監督・・・・・・・・・・・・松林宗恵
脚本・・・・・・・・・・・・八住利雄、木村武
特技監督・・・・・・・・円谷英二
音楽・・・・・・・・・・・・團伊玖磨

田村茂吉・・・・・・・・フランキー堺
田村由(茂吉の妻)・・・・・・乙羽信子
田村冴子(茂吉の娘)・・・・・星由里子
田村春江・・・・・・・・富永悠子
田村一郎・・・・・・・・阿部浩司
笠置丸通信技師 高野・・・・・宝田明
笠置丸炊事長 江原・・・・・・笠智衆
江原早苗・・・・・・・・白川由美
ワトキンス・・・・・・・ジェリー伊藤
おはる・・・・・・・・・中北千枝子
鈴江・・・・・・・・・・坂部尚子
有村・・・・・・・・・・石田茂樹
芋やの爺さん・・・・・・織田政雄
石橋・・・・・・・・・・野村浩三
伊本・・・・・・・・・・三田照子
笠置丸船長・・・・・・・東野英治郎
商事会社の女事務員・・・・・清水由記
船会社の女事務員・・・・・・森今日子
近所の人A・・・・・・・中野トシ子
近所の人B・・・・・・・一万慈鶴恵
首相・・・・・・・・・・山村聡
外相・・・・・・・・・・上原謙
防衛庁長官・・・・・・・河津清三郎
官房長官・・・・・・・・中村伸郎
司令官・・・・・・・・・高田稔
ICBM基地司令官・・・・・エド・キーン


(2007/08/19)

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comments

この映画は見たことが無いのですが、僕が想像していた内容とはちょっと違うようですね。特撮シーンがメインのパニック映画だと思っていました。^^;

  • 怪獣王
  • 2007年09月13日 10:24

面白そうだったので、見てみました。^^
特撮映像も円谷特撮の最高峰と言ってもよいぐらい良かったけど、人間ドラマ部分は更に良かったです。泣かせてもらいました。
フランキー堺って、あまり馴染みがなかったけど、良い役者さんですね。代表作の『幕末太陽傳』なんかも見てみようかなと思います。

  • takuya
  • 2007年09月20日 09:20


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