フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ (昭和41年・1966)
![]() | フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 本多猪四郎 佐原健二 ラス・タンブリン 東宝 2007-01-26 |
山から海から襲い来る危機!世界最大の兄弟喧嘩に大東京は死の決戦場!
前作『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』から1年後に公開された本作は物語の設定は殆ど変わらないものの、登場人物名、設定の微妙な違いから続編というより姉妹編とでも言ったほうが良い内容になっています。(例えば、フランケンシュタインを母親代わりとして育てたという同じ設定にも拘らず水野久美の役名が「季子」から「アケミ」になっている、など)
また前作での人間に特殊メイクを施した怪人的なフランケンシュタインから、本作では着ぐるみを使用してより怪獣的、ウルトラ・シリーズなどから生まれた"怪獣ブーム"に影響を受けたテレビ的な造型になっています。
フランケンシュタイン・シリーズ2作目の『サンダ対ガイラ』は怪獣が人間を食べるシーンなども収録されており、化け物的な怖さが堪能できます。特に、漁師が小さな漁船から海の中を覘くと、静かにガイラが海の中から船を見上げているシーンは、怪獣映画としての正しい怖さを持った名場面。羽田空港での人食いシーンなど、これまでの怪獣映画では描かれなかった掟破りとも言える数々の描写で、本来怪獣というものは怖いものだった、ということを思い出させてくれる怪獣映画です。
「海彦山彦」「泣いた赤鬼」などの寓話からアイディアを得て制作された『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は後味の悪いラスト・シーンを迎えますが、見終わった後にどこか哀愁のある印象も残すのは、寓話を見事に怪獣映画として消化したことと共に、物語の根底に人々に忌み嫌われる存在として生まれてこなければならなかった"人類の被害者"としてのフランケンシュタインの姿がしっかりと描かれているからに違いありません。
また、本作は東宝特撮映画の名作兵器"メーサー殺獣砲車"が登場することでも有名な映画で、メーサー殺獣光線を使用してガイラを攻撃する"L作戦"のシーンは東宝特撮の名場面の1つです。
[フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ - ストーリー]
ある嵐の夜、漁船第三海神丸は海中から現れた緑色の怪物に襲われて遭難する。奇跡的に助かった生存者の証言によると、その巨大な生物が乗組員を食べたという。かつて富士で行方不明になったフランケンシュタインの怪物ではないかと推測されたが、フランケンシュタインの心優しい性格を知る当時フランケンシュタインを飼育研究していたスチュワート博士(ラス・タンブリン)と助手のアケミ(水野久美)には信じられなかった。しかし、その後にまたもや漁船が襲われ、その漁船に残された細胞から間宮博士(佐原健二)はフランケンシュタインの怪物に間違いないと確信する。
次第に大胆になり、頻繁に出現するようになったフランケンシュタインの怪物は遂に羽田空港に上陸。逃げまとう人々を食べながら町へと向かう怪物に対して自衛隊は橋本陸将補(田崎潤)の指揮のもと"L作戦"(メーサー殺獣光線作戦)を実施し、怪物にダメージを与えて追い詰めることに成功する。しかし、あと一息というところで、緑色の巨人よりも更に巨大な黄褐色の巨人が現れ、緑色の巨人をかばうようにして連れ去り、山中に消える。
スチュワート博士は富士で行方不明になったフランケンシュタインの怪物が琵琶湖に潜んでいた時に細胞分裂して生まれたのが緑色の怪物ではないかと推測、研究所で育ち人に危害を加えない山の怪物を"サンダ"、細胞分裂で生まれた凶暴な海の怪物は"ガイラ"と命名された。。。。
【スタッフ&キャスト】
製作・・・・・・・・・・・田中友幸、角田健一郎
監督・・・・・・・・・・・本多猪四郎
特技監督・・・・・・・円谷英二
脚本・・・・・・・・・・・馬淵薫、本多猪四郎
音楽・・・・・・・・・・・伊福部昭
サンダ・・・・・・・・・・関田裕
ガイラ・・・・・・・・・・中島春雄
フランケンシュタイン(子供)・・・・・小宮康弘
間宮雄三・・・・・・・佐原健二
戸川アケミ・・・・・・水野久美
スチュワート博士・・・ラス・タンブリン
橋本陸将補・・・・・・田崎潤
喜田教授・・・・・・・中村伸郎
泉田課長・・・・・・・伊藤久哉
平井・・・・・・・・・・・田島義文
風間二佐・・・・・・・桐野洋雄
亀田三郎・・・・・・・山本廉
![]() | 東宝特撮 巨大生物箱 DVD-BOX 本多猪四郎 佐原健二 平田昭彦 東宝 2007-01-26 |
特典ディスクには初のソフト化となる「フランケンシュタイン対地底怪獣」の海外版、日本公開版とは異なる特撮カットを含む「サンダ対ガイラ」の海外版をビスタサイズで収録。
《収録内容》
DISC 1 「空の大怪獣ラドン」
DISC 2 「フランケンシュタイン対地底怪獣」
DISC 3 「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
《特典DISC》
・FRANKENSTEIN CONQUERS THE WORLD(「フランケンシュタイン対地底怪獣」海外版)
・THE WAR OF GARGANTUAS(「サンダ対ガイラ」海外版)
(2006/08/17)
- by axis_009












comments
サンダ対ガイラはメーサー殺獣光線車でのガイラ攻撃シーンなど、自衛隊が一番格好よく描かれている映画だと思います。
伊福部昭の重厚なマーチも良いです。(怪獣大戦争マーチと並ぶ名曲だと思いますが、どうでしょうか?)
まぁ、でも一般受けはしにくい怪獣映画ですが、特撮映画好きな人ほど好きな特撮映画の上位に上げる映画に間違いは無いでしょう。
東宝版フランケンシュタインは、いろいろ評価が分かれますね。
僕は怪獣映画としてはかなり好きな映画ですが、怪作と言えば怪作。人によって好き嫌いが分かれる映画です。
サンダ対ガイラは人を食べるシーンがあって子供の頃見たときに衝撃を受けました。実は結構トラウマになってました。(テレビで見た「マタンゴ」も)^^;
今見ると最新のCGを使った特撮映画に見慣れた目だと粗が目立ちますが、良く出来た映画だと思います。しかし、なんで1作目と2作目で設定が微妙に違うのか未だに疑問。フランケンシュタインが着ぐるみに変わったり、博士役がニック・アダムスから「ウエストサイド物語」のラス・タンブリンに変わったからなのかな?
この辺はいろいろと東宝内で事情があったのかもしれませんね。
>happyさん、Bertさん
子供連れのファミリー層向けの楽しい娯楽映画に移行して行ったゴジラに対してフランケンシュタイン2作は怪獣(怪物)映画としてきちんと怖がらせようとしているところが大きく違うところですね。特撮映画なのでツッコミどころはやっぱりあるんですが、この頃の矛盾点ありまくりのゴジラ・シリーズのルーズな設定に較べると物語にリアリティを持たせようとする努力も感じられます。
タイトルは、「フランケンシュタインの怪獣」となっていますが、本当は「フランケンシュタインの怪物」としたかったのでしょう。でも、「怪獣ブーム」真っ只中の時代なので、これで正解でしょうね。ゴジラでは描写が出来ない、異形の生物の存在、生存の悲劇を、「兄弟」という形で、見事に描き出している。どうしても、サンダの視点で見てしまいます。ラストは、喧嘩両成敗というか、「東宝特撮」らしい、海底火山の噴火に巻き込まれる両者ですが、サンダの成長に関わった人々の胸中を察すると、心に引っ掛かりが残ります。でも、この虚しさ、切なさが、人間の良心なんでしょうね。自らの細胞が、異なる環境により出現した弟を、身を挺して救ったサンダの優しさを知っているだけに・・・。
サンガイは東宝特撮の中で最も好きな作品。
冒頭のガイラ登場シーンから!
ラスト海底火山噴火シーンまで見所満載。
優しき兄貴・やんちゃ(凶暴)な弟。
悲しき兄弟のお話でした。
子供の頃は格好良い怪獣を求めていたので好きな作品ではありませんでしたが、それでもそれまでの円谷特撮では見られなかった人喰いシーンなどが印象に、というより、余りにもインパクトがありすぎて強い印象を残す衝撃的な作品でした。
>>ゴジラでは描写が出来ない、異形の生物・・・
本来はゴジラが異形の生物、恐怖の対象であるはずだったのですが、この時点ではシリーズ化する上での方向転換やゴジラの存在自体がポピュラーになりすぎて既にそうではなくなっていた時期ですね。
「フラバラ」と「サンガイ」の2作品では製作陣が怪獣映画というジャンルがまだ無かった頃の恐怖映画としての第1作ゴジラへの原点回帰を目指していたんでしょうね。